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をみなへし秋萩折れれ玉桙の
道行きづとと乞はむ子がため

歌の意味
おみなえしや秋萩を折っておきなさい。旅の土産にと欲しがるであろうあの娘のために。
鑑賞
巻第八 秋雑歌 1534

詞書「石川朝臣老夫の歌一首」
 おみなえしや秋萩を折っておきなさい、旅の土産にほしがるであろうあの娘のためにと、旅の仲間に呼びかける歌である。旅先の秋の花を、家で待つ娘への土産にしようとする心が表されている。
 作者の石川老夫は、奈良時代の官人で、伝は未詳である。

 初句「をみなへし」は、秋の七草の一つで、黄色の小さな花をつける草である。
 二句「秋萩折れれ」の「折れれ」は、存続の「り」の命令形で、折っておけの意である。ここで句切れとなる。本巻の第千五百三十首も、おみなえしと秋萩を取り合わせて詠んでいる。
 三句「玉桙の」は、「道」にかかる枕詞である。
 四句「道行きづとと」は、旅の土産としての意である。
 結句「乞はむ子がため」は、ほしがるであろう娘のためにの意で、倒置によって花を折る目的を最後に示している。

みちゆきづと:旅の土産
をみなへし:秋の七草の一つ、黄色の小さな花をつける
作者
石川老夫
出典
万葉集
前の歌
伊香山野辺に咲きたる萩見れば 君が家なる尾花し思ほゆ
次の歌
我が背子をいつぞ今かと待つなへに 面やは見えむ秋の風吹く