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我が岡の秋萩の花風をいたみ
散るべくなりぬ見む人もがも

歌の意味
我が家の岡の秋萩の花は、風が激しいので、散りそうになってしまった。見てくれる人がいればよいのに。
鑑賞
巻第八 秋雑歌 1542

詞書は前の歌に続き「大宰帥大伴卿の歌二首」
 岡の秋萩の花が、激しい風のために散りそうになってしまったが、この花を見てくれる人がいればよいのにと詠む歌である。美しい花を分かち合う相手のいない寂しさが表されており、大宰府で妻を亡くした旅人の孤独を重ねて読むこともできる。
 作者の大伴旅人は、大伴安麻呂の子で、家持の父にあたる。大宰帥として筑紫に赴任し、のちに大納言に至った。

 初句「我が岡の」は、前歌の「我が岡に」を受けて、同じ岡の景を詠んでいる。
 二句「秋萩の花」は、前歌で鹿が妻として求めた萩の花である。
 三句「風をいたみ」は、「〜を〜み」の形で、風が激しいのでの意である。
 四句「散るべくなりぬ」は、散りそうになってしまったと言い切り、ここで句切れとなる。
 結句「見む人もがも」は、願望の「もがも」で、見てくれる人がいればよいのにと願う。本巻の第千四百九十六首の大伴家持の歌も「見せむ子もがも」と、花を見せる相手のいない寂しさを詠んでいる。

はぎ:秋の七草の一つ、紅紫色の小さな花をつける
作者
大伴旅人
出典
万葉集
前の歌
我が岡にさを鹿来鳴く初萩の 花妻どひに来鳴くさを鹿
次の歌
秋の露は移しにありけり水鳥の 青葉の山の色づく見れば