- 歌の意味
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織女が彦星と袖を重ねて共寝をする今宵の明け方には、川瀬の鶴は鳴かなくてもよい。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1545
詞書は前の歌に続き「湯原王の七夕の歌二首」
織女が彦星と袖を重ねて共寝をする七夕の夜の明け方には、夜明けを告げる川瀬の鶴は鳴かなくてもよいと詠む歌である。鶴の声は別れの時を告げるものであり、一年に一度の逢瀬が少しでも長く続くことを願う心が表されている。
作者の湯原王は、志貴皇子の子で、奈良時代の皇族である。清らかな歌風で知られる。
初句「織女の」は、織女星を指す。
二句「袖継ぐ宵の」の「袖継ぐ」は、袖を重ね合わせること、すなわち共寝をすることをいう。
三句「暁は」は、夜明け前のまだ暗いころで、別れの時を示す。
四句「川瀬の鶴は」は、天の川の瀬にいる鶴である。夜明けを告げて鳴く鳥として描かれる。
結句「鳴かずともよし」は、鳴かなくてもよいの意で、別れを告げる声を拒み、逢瀬の終わりを惜しむ心を表している。前歌が夜の更けゆくことを嘆いたのに続き、この歌は夜明けの別れを惜しんでおり、二首で夜の推移を追っている。
そでつぐ:袖を重ね合わせる、共寝をする
あかとき:夜明け前のまだ暗いころ
たづ:鶴
- 作者
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湯原王
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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彦星の思ひますらむ心より 見る我れ苦し夜の更けゆけば
- 次の歌
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妹がりと我が行く道の川しあれば つくめ結ぶと夜ぞ更けにける