大君の御笠の山の黄葉は
今日の時雨に散りか過ぎなむ
- 歌の意味
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御笠山の黄葉は、今日の時雨に散ってしまうのだろうか。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1554
詞書「大伴家持の和ふる歌一首」
前歌で大伴稲公が、時雨によって御笠山が色づいたと詠んだのに和し、その黄葉も今日の時雨で散ってしまうのではないかと案じる歌である。時雨は木の葉を染めるとともに散らすものでもあり、色づきを喜ぶ前歌に対し、散るのを惜しむ心で答えている。
作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、奈良時代の官人である。中納言に至り、万葉集の編纂に深く関わったとされ、集中最も多くの歌を残す。前歌の作者大伴稲公は家持の叔父にあたる。
初句「大君の」は、天皇にさしかける御蓋の意から、「御笠」にかかる枕詞である。
二句「御笠の山の」は、前歌の「御笠山」を受けている。
三句「黄葉は」は、前歌で色づいた梢の黄葉を指す。
四句「今日の時雨に」は、今日降る時雨にの意である。
結句「散りか過ぎなむ」は、疑問の「か」と完了の「な」、推量の「む」で、散ってしまうのだろうかと案じる。同じ結句は本巻の第千五百五十七首、第千六百五十一首にもあり、雨や雪に花や黄葉が散るのを惜しむ歌が秋と冬に配されている。
もみちば:色づいた木の葉
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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時雨の雨間なくし降れば御笠山 木末あまねく色づきにけり
- 次の歌
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秋立ちて幾日もあらねばこの寝ぬる 朝明の風は手本寒しも