明日香川行き廻る岡の秋萩は
今日降る雨に散りか過ぎなむ
- 歌の意味
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明日香川が流れめぐる岡の秋萩は、今日降る雨に散ってしまうのだろうか。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1557
詞書「故郷の豊浦寺の尼の私房に宴する歌三首」
明日香川の流れめぐる岡に咲く秋萩が、今日降る雨で散ってしまうのではないかと惜しむ歌である。旧都飛鳥の豊浦寺の尼の住まいで催された宴で詠まれたもので、古都の秋萩の美しさとその散るのを惜しむ心が表されている。左注に「右一首は、丹比真人国人」とある。
作者の丹比国人は、丹比氏の官人である。
初句「明日香川」は、旧都飛鳥を流れる川である。
二句「行き廻る岡の」は、明日香川が流れめぐる岡のの意である。
三句「秋萩は」は、岡に咲く秋萩を示す。
四句「今日降る雨に」は、今日降っている雨にの意である。
結句「散りか過ぎなむ」は、疑問の「か」と完了の「な」、推量の「む」で、散ってしまうのだろうかと惜しむ。本巻の第千五百五十四首も同じ結句で、時雨に散る御笠山の黄葉を案じている。
ゆきみる:行きめぐる、流れめぐる
- 作者
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丹比国人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋田刈る仮廬もいまだ壊たねば 雁が音寒し霜も置きぬがに
- 次の歌
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鶉鳴く古りにし里の秋萩を 思ふ人どち相見つるかも