- 歌の意味
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鶉の鳴く、古びてしまったこの里の秋萩を、心を寄せ合う人どうしでともに見たことだ。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1558
詞書は前の歌に続き「故郷の豊浦寺の尼の私房に宴する歌三首」
鶉の鳴く古びた里に咲く秋萩を、親しい者どうしでともに眺めることができた喜びを詠む歌である。都が移って寂れた飛鳥の里で、気の合う人々と秋萩を見る宴のなごやかさが表されている。
左注に「右二首は、沙弥尼等」とあり、宴の主人側であった尼たちの作とされるが、個々の作者の名は伝わらない。沙弥尼は出家して間もない修行中の尼である。
初句「鶉鳴く」は、鶉が草深い荒れ地に鳴くことから、「古る」にかかる枕詞である。
二句「古りにし里の」は、古びてしまった里の意で、都が移ったあとの飛鳥を指す。
三句「秋萩を」は、前歌の「秋萩は」を受け、同じ萩を詠んでいる。
四句「思ふ人どち」は、互いに心を寄せ合う人どうしの意である。
結句「相見つるかも」は、完了の「つ」と詠嘆の「かも」で、ともに見ることができた喜びを表している。前歌が雨に散るのを惜しんだのに対し、この歌は散る前にともに見た喜びを詠み、主客の歌が応じ合っている。
ひとどち:仲間どうし、親しい者どうし
うづら:草深い野にすむ鳥
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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明日香川行き廻る岡の秋萩は 今日降る雨に散りか過ぎなむ
- 次の歌
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秋萩は盛り過ぐるをいたづらに かざしに挿さず帰りなむとや