秋づけば尾花が上に置く露の
消ぬべくも我は思ほゆるかも
- 歌の意味
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秋めいてくると尾花の上に置く露のように、今にも消え入ってしまいそうなほどに、私はあなたを思っていることだ。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1564
詞書「日置長枝娘子の歌一首」
秋めいてくると尾花の上に置く露がはかなく消えるように、自分も消え入ってしまいそうなほど相手を恋しく思うと詠む歌である。露のはかなさに、身も心も消えそうな恋の苦しさを重ねている。次歌はこの歌に大伴家持が和したものである。
作者の日置長枝娘子は、大伴家持と歌を交わした女性で、伝は未詳である。
初句「秋づけば」は、秋らしくなるとの意である。
二句「尾花が上に」は、すすきの穂の上にの意である。
三句「置く露の」は、初句からここまでが「消ぬ」を導く序詞となっている。露のはかなく消えるさまを恋の思いにたとえている。
四句「消ぬべくも我は」は字余りで、消えてしまいそうなほど私はの意である。本巻の第千六百八首の弓削皇子の歌も、萩の上の白露の「消」を恋の苦しさにたとえており、露の消えやすさに恋を託す趣向が共通している。
結句「思ほゆるかも」は、自発の「ゆ」と詠嘆の「かも」で、自然とそのように思われることだと、抑えがたい恋心を表している。
あきづく:秋らしくなる
をばな:すすきの穂
- 作者
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日置長枝娘子
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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聞きつやと妹が問はせる雁が音は まことも遠く雲隠るなり
- 次の歌
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我が宿の一群萩を思ふ子に 見せずほとほと散らしつるかも