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我が宿の尾花が上の白露を
消たずて玉に貫くものにもが

歌の意味
我が家の庭の尾花の上に置いた白露を、消さないまま、玉として糸に貫けるものであればよいのに。
鑑賞
巻第八 秋雑歌 1572

詞書「大伴家持の白露の歌一首」
 庭の尾花の上に置いた白露を、消さないまま玉として糸に貫くことができればよいのにと願う歌である。露を玉に見立て、そのはかない美しさを手もとに留めておきたい心が表されている。
 作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、奈良時代の官人である。中納言に至り、万葉集の編纂に深く関わったとされ、集中最も多くの歌を残す。

 初句「我が宿の」は、自分の家の庭を示す。
 二句「尾花が上の」は、すすきの穂の上のの意である。本巻の第千五百六十四首の日置長枝娘子の歌も「尾花が上に置く露」を詠み、そちらは露の消えやすさを恋にたとえている。
 三句「白露を」は、尾花の上に置いた白い露である。
 四句「消たずて玉に」は、消さないまま玉にの意である。本巻の第千六百十八首の湯原王の歌も「玉に貫き消たず」と、萩の上の白露を玉に貫くことを詠んでおり、露を玉にする趣向が共通している。
 結句「貫くものにもが」は、願望の「もが」で、貫くことのできるものであればよいのにと願っている。

けつ:消す
をばな:すすきの穂
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
春日野に時雨降る見ゆ明日よりは 黄葉かざさむ高円の山
次の歌
秋の雨に濡れつつ居ればいやしけど 我妹が宿し思ほゆるかも