朝戸開けて物思ふ時に白露の
置ける秋萩見えつつもとな
- 歌の意味
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朝の戸を開けて物思いにふけっている時に、白露の置いた秋萩が目に入って、むやみに心がかき乱されることだ。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1579
詞書は前の歌に続き「右大臣橘家の宴の歌七首」
朝の戸を開けて物思いにふけっていると、白露の置いた秋萩が目に入り、むやみに心がかき乱されると詠む歌である。露に濡れた萩の美しさが、かえって物思いを深めるさまが表されている。左注に「右二首は、文忌寸馬養」とある。
作者の文馬養は、渡来系氏族である文氏の官人である。
初句「朝戸開けて」は字余りで、朝の戸を開けての意である。
二句「物思ふ時に」は、物思いにふけっている時にの意である。
三句「白露の」は、萩の上に置いた白い露である。
四句「置ける秋萩」は、白露の置いた秋萩である。
結句「見えつつもとな」の「もとな」は、むやみに、わけもなくの意で、萩が見え続けて心が落ち着かないことを表す。本巻の第千五百二十六首の山上憶良の歌も「もとなや恋ひむ」と、この語でどうしようもない恋しさを表している。
あさと:朝に開ける戸
- 作者
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文馬養
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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今朝鳴きて行きし雁が音寒みかも この野の浅茅色づきにける
- 次の歌
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さを鹿の来立ち鳴く野の秋萩は 露霜負ひて散りにしものを