めづらしき人に見せむと黄葉を
手折りぞ我が来し雨の降らくに
- 歌の意味
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心ひかれる大切な方々にお見せしようと、黄葉を手折って私はやって来た。雨が降っているのに。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1582
詞書は前の歌に続き「橘朝臣奈良麻呂の集宴を結ぶ歌十一首」
心ひかれる大切な客人たちに見せようと、雨の降る中を黄葉を手折って持って来たと詠む歌である。宴の主人である作者が、客を迎える心づくしを黄葉に託して表している。左注に「右二首は、橘朝臣奈良麻呂」とある。
作者の橘奈良麻呂は、橘諸兄の子である。のちに藤原仲麻呂の打倒を企てて失敗し、捕らえられた。
初句「めづらしき」は、心ひかれる、賞美すべきの意で、宴の客人たちを指す。
二句「人に見せむと」は、客人に見せようとの意である。
三句「黄葉を」は、雨の中を手折ってきた黄葉である。
四句「手折りぞ我が来し」は、係助詞「ぞ」を受けて過去の「き」の連体形「し」で結ぶ係り結びで、手折ってやって来たと強調し、ここで句切れとなる。
結句「雨の降らくに」は、雨が降っているのにの意で、倒置によって心づくしの労を最後に示している。次歌の第千五百八十三首は、この黄葉を受けて時雨に濡れて来た客の側から答えている。
もみちば:色づいた木の葉
- 作者
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橘奈良麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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手折らずて散りなば惜しと我が思ひし 秋の黄葉をかざしつるかも
- 次の歌
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黄葉を散らす時雨に濡れて来て 君が黄葉をかざしつるかも