黄葉を散らまく惜しみ手折り来て
今夜かざしつ何か思はむ
- 歌の意味
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黄葉が散ってしまうのを惜しんで手折って来て、今夜髪に挿した。もう何を思い残すことがあろうか。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1586
詞書は前の歌に続き「橘朝臣奈良麻呂の集宴を結ぶ歌十一首」
黄葉が散るのを惜しんで手折って来て、今夜の宴で髪に挿したので、もう思い残すことはないと詠む歌である。宴の満ち足りた喜びが、率直な言葉で表されている。左注に「右一首は、県犬養宿禰持男」とある。
作者の県犬養持男は、県犬養氏の官人で、伝は未詳である。
初句「黄葉を」は、宴にかざす黄葉を示す。
二句「散らまく惜しみ」は、散ってしまうのが惜しいのでの意である。本巻の第千五百十七首の長屋王の歌は「散らまく惜しも」と、同じく黄葉の散るのを惜しんでいる。
三句「手折り来て」は、手折って来ての意である。
四句「今夜かざしつ」は、完了の「つ」で、今夜髪に挿したと言い切り、ここで句切れとなる。本巻の第千五百八十八首も同じ四句を用いており、宴の歌が同じ言葉で連なっている。
結句「何か思はむ」は、反語の「か」で、何を思い残すことがあろうか、いや何もないと、宴の喜びを言い切っている。
もみちば:色づいた木の葉
- 作者
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県犬養持男
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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奈良山の嶺の黄葉取れば散る 時雨の雨し間なく降るらし
- 次の歌
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あしひきの山の黄葉今夜もか 浮かび行くらむ山川の瀬に