秋萩の枝もとををに置く露の
消なば消ぬとも色に出でめやも
- 歌の意味
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秋萩の枝もたわむほどに置いた露のように、たとえこの身が消えてしまおうとも、恋心を顔色に出すことがあろうか、いや出しはしない。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1595
詞書「大伴宿禰像見の歌一首」
秋萩の枝がたわむほどに置いた露のように、たとえ消えてしまうことがあっても、恋心を顔色に出すことはしないと詠む歌である。露のはかなさに身の消えゆくことをたとえつつ、秘めた恋を決して表に出すまいとする強い決意が表されている。
作者の大伴像見は、大伴氏の官人である。
初句「秋萩の」は、露の置く秋萩を示す。
二句「枝もとををに」は、枝もたわむほどにの意で、露の多さを表す。
三句「置く露の」は、初句からここまでが「消」を導く序詞となっている。
四句「消なば消ぬとも」は、消えるなら消えてしまってもの意で、同じ語を重ねて強い覚悟を表す。本巻の第千五百六十四首の日置長枝娘子の歌も、尾花の露に「消ぬべくも」と恋の思いを重ねている。
結句「色に出でめやも」は、推量の「め」に反語の「やも」を添え、顔色に出すことがあろうか、いやないと強く打ち消している。
いろ:顔色、表に現れた様子
- 作者
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大伴像見
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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時雨の雨間なくな降りそ紅に にほへる山の散らまく惜しも
- 次の歌
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妹が家の門田を見むとうち出で来し 心もしるく照る月夜かも