さを鹿の朝立つ野辺の秋萩に
玉と見るまで置ける白露
- 歌の意味
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雄鹿が朝立っている野辺の秋萩に、玉かと見まがうほどに置いている白露よ。
- 鑑賞
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巻第八 秋雑歌 1598
詞書は前の歌に続き「大伴宿禰家持の秋の歌三首」
雄鹿が朝立っている野辺の秋萩に、玉と見まがうほどに白露が置いていると詠む歌である。朝の野に立つ鹿と、萩の上に光る白露とが一つの情景に収められ、秋の朝のすがすがしさが描かれている。左注により、天平十五年(743)秋八月の作である。
作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、奈良時代の官人である。中納言に至り、万葉集の編纂に深く関わったとされ、集中最も多くの歌を残す。
初句「さを鹿の」は、雄鹿のの意で、「さ」は接頭語である。
二句「朝立つ野辺の」は、朝に立っている野辺のの意である。本巻の第千五百八十首の文馬養の歌も、雄鹿の「来立ち鳴く野の秋萩」を詠んでいる。
三句「秋萩に」は、白露の置く秋萩を示す。
四句「玉と見るまで」は、玉かと見まがうほどにの意である。本巻の第千四百二十首の駿河采女の歌も「見るまでに」と、散る花を雪に見まがう見立てを詠んでいる。
結句「置ける白露」は体言止めで、存続の「り」の連体形「る」を用い、萩に置く白露の美しさを最後に示している。
さをしか:雄鹿、「さ」は接頭語
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋の野に咲ける秋萩秋風に 靡ける上に秋の露置けり
- 次の歌
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さを鹿の胸別けにかも秋萩の 散り過ぎにける盛りかも去ぬる