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めづらしき君が家なる花すすき
穂に出づる秋の過ぐらく惜しも

歌の意味
すばらしいあなたの家に咲く花すすきが穂を出す、この秋の過ぎ去っていくのが惜しいことだ。
鑑賞
巻第八 秋雑歌 1601

詞書は前の歌に続き「内舎人石川朝臣広成の歌二首」
 すばらしいあなたの家に咲く花すすきが穂を出す、この秋が過ぎ去っていくのが惜しいと詠む歌である。宴の主人の家の花すすきをたたえ、その秋が過ぎゆくことを惜しんで、主人への敬意と親しみを表している。
 作者の石川広成は、内舎人を務めた奈良時代の官人である。

 初句「めづらしき」は、すばらしい、心ひかれるの意で、主人をたたえる語である。
 二句「君が家なる」は、あなたの家にあるの意である。本巻の第千五百三十三首の笠金村の歌も「君が家なる尾花」と、親しい人の家のすすきを詠んでいる。
 三句「花すすき」は、穂の出たすすきである。
 四句「穂に出づる秋の」は、すすきが穂を出す秋のの意である。
 結句「過ぐらく惜しも」は、過ぎていくことが惜しいの意で、詠嘆の「も」で結ぶ。本巻の第千五百十七首の「散らまく惜しも」と同じ形で、過ぎゆくものを惜しむ心を表している。

はなすすき:穂の出たすすき
作者
石川広成
出典
万葉集
前の歌
妻恋ひに鹿鳴く山辺の秋萩は 露霜寒み盛り過ぎゆく
次の歌
山彦の相響むまで妻恋ひに 鹿鳴く山辺に独りのみして