- 歌の意味
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九月のその初雁の便りにでも、私を思ってくださるお心を、聞かせていただけないものでしょうか。
- 鑑賞
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巻第八 秋相聞 1614
詞書「遠江守桜井王の天皇に奉る歌一首」
遠江守として任地にあった桜井王が、九月の初雁を便りの使いとして、天皇が自分を思ってくださるお心を聞かせていただけないものかと願って奉った歌である。雁が便りを運ぶという故事を踏まえ、遠く離れた地から天皇を慕う心が表されている。次歌はこの歌に聖武天皇が答えた御製である。
作者の桜井王は奈良時代の皇族で、遠江守を務めた。のちに大原真人の姓を賜った。
初句「九月の」は、陰暦九月で、雁が渡ってくる時節である。
二句「その初雁の」は、その秋初めて渡ってくる雁のの意である。
三句「使にも」は、便りを運ぶ使いとしてでもの意で、雁を使いとする故事による。
四句「思ふ心は」は、天皇が思ってくださるお心はの意である。
結句「聞こえ来ぬかも」は、打消の「ぬ」に「かも」を添えた願望の表現で、聞こえてこないものだろうかと願っている。
はつかり:その秋初めて渡ってくる雁
つかひ:使者、便りを運ぶもの
- 作者
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桜井王
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋の野を朝行く鹿の跡もなく 思ひし君に逢へる今夜か
- 次の歌
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大の浦のその長浜に寄する波 ゆたけく君を思ふこのころ