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玉桙の道は遠けどはしきやし
妹を相見に出でてぞ我が来し

歌の意味
道は遠いけれども、いとしいあなたに会いに、私は出かけて来たのだ。
鑑賞
巻第八 秋相聞 1619

詞書「大伴家持の姑坂上郎女の竹田の庄に至りて作る歌一首」
 道は遠いけれども、いとしいあなたに会うために出かけて来たと詠む歌である。叔母であり、のちに姑となる大伴坂上郎女が滞在する竹田の田荘を訪ね、親しみを込めて「妹」と呼びかけている。左注に「右二首は、天平十一年(739)秋八月に作る」とあり、次歌はこれに坂上郎女が答えたものである。
 作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、奈良時代の官人である。中納言に至り、万葉集の編纂に深く関わったとされ、集中最も多くの歌を残す。

 初句「玉桙の」は、「道」にかかる枕詞である。
 二句「道は遠けど」は、道は遠いけれどもの意である。
 三句「はしきやし」は、いとしい、慕わしいの意で、四句の「妹」にかかる。
 四句「妹を相見に」は、あなたに会いにの意で、ここでは叔母の坂上郎女を親しみを込めて「妹」と呼んでいる。
 結句「出でてぞ我が来し」は、係助詞「ぞ」を受けて過去の「き」の連体形「し」で結ぶ係り結びで、わざわざ出かけて来たのだと強調し、親愛の情を表している。

たまほこ:道にかかる枕詞
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
玉に貫き消たず賜らむ秋萩の 末わくらばに置ける白露
次の歌
あらたまの月立つまでに来まさねば 夢にし見つつ思ひぞ我がせし