あらたまの月立つまでに来まさねば
夢にし見つつ思ひぞ我がせし
- 歌の意味
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月が改まるまでおいでにならなかったので、夢に見ながら、あなたのことを思っていたのだ。
- 鑑賞
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巻第八 秋相聞 1620
詞書「大伴坂上郎女の和ふる歌一首」
前歌の家持の歌に答え、月が改まるまで訪ねて来なかったので、夢に見ながらあなたを思っていたと詠む歌である。訪れを待ちわびていた心を、夢に見るほど思っていたという言葉で伝え、甥の家持への深い親愛の情を表している。左注により、天平十一年(739)秋八月の作である。
作者の大伴坂上郎女は、大伴安麻呂の娘で、大伴旅人の異母妹にあたる。大伴家持の叔母であり、のちに姑ともなった。万葉集に多くの歌を残す女性歌人である。
初句「あらたまの」は、「月」にかかる枕詞である。
二句「月立つまでに」は、月が改まるまでの意で、長く待っていたことを示す。
三句「来まさねば」は、尊敬の「ます」の打消に「ば」が付いた形で、おいでにならなかったのでの意である。
四句「夢にし見つつ」は、強意の「し」と継続の「つつ」で、夢に見続けながらの意である。
結句「思ひぞ我がせし」は、係助詞「ぞ」を受けて過去の「き」の連体形「し」で結ぶ係り結びで、ずっと思っていたのだと強調している。前歌が「出でてぞ我が来し」と「ぞ」の係り結びで結んだのに、同じ形で答えている。
いめ:夢
- 作者
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大伴坂上郎女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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玉桙の道は遠けどはしきやし 妹を相見に出でてぞ我が来し
- 次の歌
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我が宿の萩花咲けり見に来ませ いま二日だみあらば散りなむ