我が蒔ける早稲田の穂立作りたる
かづらぞ見つつ偲はせ我が背
- 歌の意味
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私が種を蒔いた早稲田の稲穂で作った髪飾りです。これを見ながら、私をしのんでください、あなた。
- 鑑賞
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巻第八 秋相聞 1624
詞書「坂上大娘の秋の稲の蘰を大伴宿禰家持に贈る歌一首」
自分が種を蒔いた早稲田の稲穂で髪飾りを作り、これを見ながら私をしのんでほしいと家持に贈った歌である。自ら手をかけて育てた稲穂を贈ることで、離れている相手への思いを形にして伝えている。左注に「右三首は、天平十一年(739)秋九月に往来す」とある。
作者の坂上大嬢は、大伴坂上郎女の娘で、大伴家持のいとこにあたり、のちに家持の妻となった。
初句「我が蒔ける」は、私が種を蒔いたの意で、自ら手がけたことを強調している。
二句「早稲田の穂立」は、早く実る稲の田に立つ稲穂である。本巻の第千五百六十六首にも「早稲田」が詠まれている。
三句「作りたる」は、作ったの意で、稲穂で髪飾りを作ったことを示す。
四句「かづらぞ見つつ」は、係助詞「ぞ」で、この髪飾りを見ながらと強める。
結句「偲はせ我が背」は、尊敬の「す」の命令形で、しのんでくださいと願い、「我が背」と呼びかけて結んでいる。
かづら:草木の枝や花、稲穂などで作った髪飾り
わさだ:早く実る稲を植えた田
- 作者
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坂上大嬢
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が宿にもみつ蝦手見るごとに 妹を懸けつつ恋ひぬ日はなし
- 次の歌
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我妹子が業と作れる秋の田の 早稲穂のかづら見れど飽かぬかも