手もすまに植ゑし萩にやかへりては
見れども飽かず心尽さむ
- 歌の意味
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手を休める間もなく植えた萩に、かえって、いくら見ても見飽きず、心を尽くすことになるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第八 秋相聞 1633
詞書「或る者の尼に贈る歌二首」
休む間もなく苦労して植えた萩に、かえって見飽きることなく心を尽くすことになるのだろうかと詠む歌である。題詞によれば、ある人が尼に贈った歌で、萩を尼が手塩にかけて育てた娘にたとえ、その娘に心ひかれる思いを込めたものとする説がある。
作者は題詞に「或る者」とあるのみで、名は伝わらない。
初句「手もすまに」は、手を休める間もなくの意で、苦労して植えたことを示す。本巻の第千四百六十首の紀女郎の歌にも「我が手もすまに」とあり、手を休めず野の茅花を抜いたと詠んでいる。
二句「植ゑし萩にや」は、疑問の「や」を含み、植えた萩にであろうかの意で、結句の推量と呼応する。
三句「かへりては」は、かえって、逆にの意である。
四句「見れども飽かず」は、いくら見ても見飽きないの意である。
結句「心尽さむ」は、二句の「や」を受けて推量の「む」の連体形で結ぶ係り結びで、心を尽くすことになるのだろうかと推し量っている。
はぎ:秋の七草の一つ、紅紫色の小さな花をつける
- 出典
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万葉集
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あしひきの山辺に居りて秋風の 日に異に吹けば妹をしぞ思ふ
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衣手に水渋付くまで植ゑし田を 引板我が延へまもれる苦し