はだすすき尾花逆葺き黒木もち
造れる室は万代までに
- 歌の意味
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すすきの穂を逆さに葺き、皮のついたままの黒木で造ったこの室は、万代までも続くことだろう。
- 鑑賞
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巻第八 冬雑歌 1637
詞書「太上天皇の御製歌一首」
すすきの穂を逆さに葺き、皮のついたままの黒木で造った簡素な室をたたえ、この室は万代までも続くだろうと詠む御製である。次歌の左注によれば、左大臣長屋王の佐保の邸宅での宴の折の御製で、主人の邸宅の室をことほぐ心が表されている。
題詞の「太上天皇」は元正天皇とされる。作者の元正天皇は草壁皇子の娘で、奈良時代の女帝である。聖武天皇に譲位して太上天皇となった。
初句「はだすすき」は、穂の出たすすきである。
二句「尾花逆葺き」は、すすきの穂を逆さにして屋根を葺いての意である。
三句「黒木もち」は、皮をはがないままの丸太を用いての意である。
四句「造れる室は」は、造った室はの意で、宴のために設けられた簡素な建物を指す。三句と四句は次歌と同じ言葉で、二首が同じ室をたたえている。
結句「万代までに」は、万代までもの意で、室と主人の家の永遠の繁栄を祝っている。
くろき:皮をはがないままの丸太
むろ:住まい、ここでは宴のために設けた建物
- 作者
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元正天皇
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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大口の真神の原に降る雪は いたくな降りそ家もあらなくに
- 次の歌
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あをによし奈良の山なる黒木もち 造れる室は座せど飽かぬかも