沫雪のほどろほどろに降りしけば
奈良の都し思ほゆるかも
- 歌の意味
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淡雪がはらはらとまだらに降り積もると、奈良の都が恋しく思われることだ。
- 鑑賞
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巻第八 冬雑歌 1639
詞書「大宰帥大伴卿の冬の日に雪を見て京を憶ふ歌一首」
淡雪がはらはらとまだらに降り積もるのを見て、奈良の都が恋しく思われると詠む歌である。大宰府にあった旅人が、冬の日の雪をきっかけに、遠く離れた都をしのんでいる。
作者の大伴旅人は、大伴安麻呂の子で、家持の父にあたる。大宰帥として筑紫に赴任し、のちに大納言に至った。
初句「沫雪の」は、泡のように消えやすい淡雪である。
二句「ほどろほどろに」は、雪がはらはらとまだらに降るさまを表す。本巻の第千四百二十首の駿河采女の歌も「はだれに降る」と、まだらに降る淡雪を詠んでいる。
三句「降りしけば」は、降り積もるとの意である。
四句「奈良の都し」は、強意の「し」で、奈良の都をと強調する。
結句「思ほゆるかも」は、自発の「ゆ」と詠嘆の「かも」で、都が自然と恋しく思われることを表している。本巻の第千五百九十二首の大伴坂上郎女の歌も、田荘にあって「都し思ほゆ」と都を恋しく思っている。
あわゆき:泡のように消えやすい雪
- 作者
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大伴旅人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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あをによし奈良の山なる黒木もち 造れる室は座せど飽かぬかも
- 次の歌
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我が岡に盛りに咲ける梅の花 残れる雪をまがへつるかも