引き攀ぢて折らば散るべみ梅の花
袖に扱入れつ染まば染むとも
- 歌の意味
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枝を引き寄せて折ったら散ってしまいそうなので、梅の花をしごき取って袖に入れた。袖がその色に染まるなら染まってもかまわない。
- 鑑賞
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巻第八 冬雑歌 1644
詞書「三野連石守の梅の歌一首」
枝を引き寄せて折れば花が散ってしまいそうなので、梅の花をしごき取って袖に入れた、袖が花の色に染まるなら染まってもかまわないと詠む歌である。梅の花をいとおしみ、身に留めておきたいという心が、袖に入れるという大胆な振る舞いで表されている。
作者の三野石守は、大伴旅人の従者として大宰府にあったとされる人物である。
初句「引き攀ぢて」は、枝を引き寄せての意である。
二句「折らば散るべみ」は、折ったならば散ってしまいそうなのでの意である。
三句「梅の花」は、袖に入れた梅の花である。
四句「袖に扱入れつ」は、しごき取って袖に入れたの意で、完了の「つ」で言い切り、ここで句切れとなる。
結句「染まば染むとも」は、染まるなら染まってもかまわないの意で、花の色が移ることをいとわない心を表している。本巻の第千五百三十二首の笠金村の歌も、萩に触れれば衣が「にほひぬべく」と、花の色が衣に移ることを詠んでいる。
よづ:手元に引き寄せる
こきいる:しごき取って入れる
- 作者
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三野石守
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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天霧らし雪も降らぬかいちしろく このいつ柴に降らまくを見む
- 次の歌
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我が宿の冬木の上に降る雪を 梅の花かとうち見つるかも