池の辺の松の末葉に降る雪は
五百重降りしけ明日さへも見む
- 歌の意味
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池のほとりの松の葉先に降る雪は、幾重にも降り積もってくれ。明日もまた見よう。
- 鑑賞
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巻第八 冬雑歌 1650
詞書「西の池の辺に御在して肆宴したまふ歌一首」
池のほとりの松の葉先に降る雪に、幾重にも降り積もってほしい、明日もまた見ようと呼びかける歌である。天皇が宮中の西の池のほとりで催した宴での歌で、雪景色をたたえるとともに、宴の楽しみが明日も続くことを願っている。
左注に「右一首は、作者未詳なり。ただし竪子阿倍朝臣虫麻呂伝へ誦む」とあり、作者は伝わらないが、阿倍虫麻呂が伝え誦したものである。
初句「池の辺の」は、宮中の西の池のほとりのの意である。
二句「松の末葉に」は、松の枝先の葉にの意である。
三句「降る雪は」は、松に降る雪への呼びかけとなっている。
四句「五百重降りしけ」は、幾重にも降り積もれと命令形で呼びかけ、ここで句切れとなる。
結句「明日さへも見む」は、明日までも見ようの意で、意志の「む」で結ぶ。本巻の第千六百四十六首の小治田東麻呂の歌が、明朝には雪が消えるのを惜しんだのに対し、この歌は明日も残るよう雪に願っている。
うらば:草木の枝先の葉
いほへ:幾重にも重なること
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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今日降りし雪に競ひて我が宿の 冬木の梅は花咲きにけり
- 次の歌
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沫雪のこのころ継ぎてかく降らば 梅の初花散りか過ぎなむ