梅の花折りも折らずも見つれども
今夜の花になほしかずけり
- 歌の意味
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梅の花を、手折っても手折らなくても、これまで見てきたけれど、今夜の花にはやはり及ばないことだ。
- 鑑賞
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巻第八 冬雑歌 1652
詞書「他田広津娘子の梅の歌一首」
梅の花を、手折っても手折らなくても、これまで何度も見てきたけれど、今夜の花にはやはり及ばないと詠む歌である。宴の席で見る今夜の梅をこの上なくたたえ、その場の主人や人々への賛美を込めたものと解されている。
作者の他田広津娘子は、伝の未詳な女性である。
初句「梅の花」は、見てきた梅の花を示す。
二句「折りも折らずも」は、手折っても手折らなくてもの意で、さまざまに梅を見てきたことを示す。
三句「見つれども」は、逆接の「ども」で、見てきたけれどもの意である。
四句「今夜の花に」は、今夜見る梅の花にの意である。
結句「なほしかずけり」は、強意の「し」と打消の「ず」、詠嘆の「けり」で、やはり及ばないことだと結ぶ。本巻の第千五百四十八首の大伴坂上郎女の歌も同じ結句で、遅咲きの萩に及ぶものはないとたたえている。
をる:花や枝を手で折り取る
- 作者
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他田広津娘子
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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沫雪のこのころ継ぎてかく降らば 梅の初花散りか過ぎなむ
- 次の歌
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今のごと心を常に思へらば まづ咲く花の地に落ちめやも