高山の菅の葉しのぎ降る雪の
消ぬと言ふべくも恋の繁けく
- 歌の意味
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高い山の菅の葉を押し伏せて降る雪が消えるように、身も消え入ってしまいそうだと言ってもよいほど、恋しさがしきりにつのることだ。
- 鑑賞
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巻第八 冬相聞 1655
詞書「三国真人人足の歌一首」
高い山の菅の葉を押し伏せて降る雪がやがて消えるように、自分も消えてしまいそうだと言ってよいほど、恋しさがしきりにつのると詠む歌である。雪の重さとはかなさに、激しくも苦しい恋心を重ねている。冬相聞の巻頭に置かれている。
作者の三国人足は、三国氏で真人の姓をもつ奈良時代の官人である。
初句「高山の」は、高い山のの意である。
二句「菅の葉しのぎ」の「しのぐ」は、押し伏せるの意で、菅の葉を押し伏せての意である。本巻の第千六百九首の丹比真人の歌にも「秋萩しのぎ」とあり、萩を押し分けて鳴く鹿を詠んでいる。
三句「降る雪の」は、初句からここまでが「消ぬ」を導く序詞となっている。
四句「消ぬと言ふべくも」は字余りで、消えてしまうと言ってもよいほどにの意である。
結句「恋の繁けく」は、恋しさが絶え間なくつのることの意で、体言止めのような形で結び、恋の苦しさを余韻として残している。
すが:菅、湿地などに生える草
しのぐ:押し伏せる、押し分ける
- 作者
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三国人足
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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松蔭の浅茅の上の白雪を 消たずて置かむことはかもなき
- 次の歌
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酒杯に梅の花浮かべ思ふどち 飲みての後は散りぬともよし