川の瀬のたぎつを見れば玉藻かも
散り乱れたる川の常かも
- 歌の意味
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川の瀬が激しく流れるのを見ると、玉藻が散り乱れているのだろうか。それとも、これがこの川のいつもの姿なのだろうか。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌 1685
詞書「泉川の辺にして間人宿禰が作る歌二首」
泉川の瀬で白く砕ける急流を見て、玉藻が散り乱れているのか、それともこれがこの川のいつもの姿なのかと驚く歌である。しぶきの美しさに目を見張り、川をたたえている。
詞書によれば、泉川のほとりで間人宿禰が作った二首の一首目である。泉川は現在の京都府南部を流れる木津川である。本歌は柿本人麻呂歌集に収められていたものである。
作者の間人宿禰は間人氏の人物であるが、名は伝わらない。間人大浦と同一の人物とする説もある。
初句「川の瀬の」は、流れの浅く速い所を示す。
二句「たぎつを見れば」は、激しく流れるのを見ると、の意である。
三句「玉藻かも」は、玉藻なのだろうか、の意で、「かも」は疑問を表す。「玉藻」は藻の美称であるが、白く砕けるしぶきを玉にたとえた表現とも解される。
四句「散り乱れたる」は、散り乱れている、の意で、三句と結句の両方にかかる。
結句「川の常かも」は、川のいつもの姿なのだろうか、の意で、三句の「玉藻かも」と「かも」を重ね、二つの推測を並べる対句的な構成となっている。次歌第千六百八十六首も、川の瀬の玉の乱れを詠んでいる。
たぎつ:水が激しく逆巻いて流れる
たまも:藻の美称
- 作者
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間人宿禰
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春山は散り過ぎぬとも三輪山は いまだふふめり君待ちかてに
- 次の歌
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彦星のかざしの玉の妻恋ひに 乱れにけらしこの川の瀬に