- 歌の意味
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鷺坂山の松の木陰に宿りをして行こう。夜も更けていくのだから。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌 1687
詞書「鷺坂にして作る歌一首」
旅の途中、夜が更けてきたので、鷺坂山の松の木陰に宿って行こうと詠む歌である。夜道を急ぐ旅人の、ひと休みを求める素直な心が表れている。
鷺坂は現在の京都府城陽市久世付近の坂で、大和から山背を経て北へ向かう道筋にあたる。本巻には第千六百九十四首第千七百七首にも鷺坂の歌がある。
作者の柿本人麻呂は持統朝から文武朝にかけて活躍した宮廷歌人である。本歌は柿本人麻呂歌集から採られたもので、この歌集には人麻呂自身の作と、人麻呂が集めた他の人の作とが含まれると考えられている。
初句「白鳥の」は、白い鳥である鷺にかかる枕詞である。
二句「鷺坂山の」は、宿る場所の地名を示す。
三句「松蔭に」は、松の木の陰に、の意である。
四句「宿りて行かな」は、宿って行こう、の意で、「な」は自分の意志を表す終助詞である。ここで句切れとなる。
結句「夜も更けゆくを」は、夜も更けていくのだから、の意で、宿る理由を最後に置く倒置となっている。
まつかげ:松の木の陰
やどる:旅先で宿を取る
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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彦星のかざしの玉の妻恋ひに 乱れにけらしこの川の瀬に
- 次の歌
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あぶり干す人もあれやも濡れ衣を 家には遣らな旅のしるしに