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滝の上の三船の山ゆ秋津辺に
来鳴き渡るは誰れ呼子鳥

歌の意味
滝のほとりの三船の山から秋津のあたりへ、鳴きながら渡って行くのは、誰を呼ぶ呼子鳥なのだろう。
鑑賞
巻第九 雑歌 1713

詞書「芳野離宮に幸す時の歌二首」
 吉野の三船の山から秋津野へと鳴きながら渡って行く呼子鳥に、いったい誰を呼んでいるのかと問いかける歌である。鳥の名に興じつつ、吉野の山と野の広がりを描いている。
 詞書に芳野離宮への行幸の折の歌とあり、左注に右二首は作者未詳とある。三船の山は奈良県吉野郡吉野町の宮滝付近の山で、秋津はその付近の野である。

 初句「滝の上の」は、滝のほとりの、の意で、宮滝の激流を指す。
 二句「三船の山ゆ」は、三船の山から、の意で、「ゆ」は起点を示す。
 三句「秋津辺に」は、秋津のあたりに、の意で、鳥の渡って行く先を示す。
 四句「来鳴き渡るは」は、来て鳴きながら渡って行くのは、の意である。
 結句「誰れ呼子鳥」は、誰を呼ぶ呼子鳥なのか、の意で、体言止めとなっている。鳥の名の「呼子」に「呼ぶ」の意を掛け、「誰れ」と問うところに機知がある。

よぶこどり:鳴き声が人を呼ぶように聞こえる鳥、郭公とする説がある
出典
万葉集
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天の原雲なき宵にぬばたまの 夜渡る月の入らまく惜しも
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落ちたぎち流るる水の岩に触れ 淀める淀に月の影見ゆ