馬並めてうち群れ越え来今日見つる
吉野の川をいつかへり見む
- 歌の意味
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馬を並べて連れ立って山を越えて来て、今日見た吉野の川を、いつまた帰って来て見ることができるだろうか。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌 1720
詞書「元仁の歌三首」
馬を連ねて仲間と山を越え、今日ようやく見た吉野川を、次はいつ見に来られるだろうかと名残を惜しむ歌である。吉野川の美しさをたたえる心が、再訪を願う形で表れている。
元仁の歌三首の一首目である。以下第千七百二十五首まで、柿本人麻呂歌集から採られた吉野の歌が続いている。
作者の元仁は伝未詳で、僧の名とする説もある。左注によれば、本歌は柿本人麻呂歌集に出る歌である。
初句「馬並めて」は、馬を並べて、の意である。
二句「うち群れ越え来」は、連れ立って山を越えて来て、の意で、八音の字余りとなっている。
三句「今日見つる」は、今日見た、の意で、「つる」は完了の助動詞「つ」の連体形である。
四句「吉野の川を」は、一行が見た吉野川を示す。
結句「いつかへり見む」は、いつまた戻って来て見ようか、の意である。本巻の第千六百六十八首の結句「またかへり見む」と対応し、再訪を誓う歌に対して、再訪の時を問う形となっている。
なむ:並べる、連ねる
うちむる:連れ立つ、群れをなす
- 作者
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元仁
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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照る月を雲な隠しそ島蔭に 我が舟泊てむ泊り知らずも
- 次の歌
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苦しくも暮れゆく日かも吉野川 清き川原を見れど飽かなくに