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暁の夢に見えつつ梶島の
磯越す波のしきてし思ほゆ

歌の意味
明け方の夢にたびたび見えて、梶島の磯を越す波がしきりに寄せるように、しきりに思われてならない。
鑑賞
巻第九 雑歌 1729

詞書「宇合卿の歌三首」
 明け方の夢にしきりに見えて、梶島の磯を越す波がしきりに寄せるように、しきりに思われると詠む歌である。思う相手は明示されないが、旅先で故郷の妻を思う歌と解される。三句と四句は「しきて」を導く序となっている。
 宇合卿の歌三首の一首目である。梶島の所在は明らかでない。
 作者の藤原宇合は藤原不比等の三男で、藤原式家の祖である。遣唐副使として唐に渡り、常陸守や西海道節度使などを歴任した。

 初句「暁の」は、夜明け前のまだ暗いころの、の意である。
 二句「夢に見えつつ」は、夢に何度も見えて、の意で、「つつ」は反復を表す。
 三句「梶島の」は、波の寄せる島の名を示す。
 四句「磯越す波の」は、磯を越えて打ち寄せる波の、の意で、三句とともに、波がしきりに寄せる意から「しきて」を導く序となっている。
 結句「しきてし思ほゆ」は、しきりに思われる、の意で、「し」は強意の副助詞、「思ほゆ」は自然と思われる意である。

あかとき:夜明け前のまだ暗いころ
いめ:夢
しく:しきりに重なる、繰り返す
作者
藤原宇合
出典
万葉集
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慰めて今夜は寝なむ明日よりは 恋ひかも行かむこゆ別れなば
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山科の石田の小野のははそ原 見つつか君が山道越ゆらむ