大葉山霞たなびきさ夜更けて
我が舟泊てむ泊り知らずも
- 歌の意味
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大葉山には霞がたなびき、夜も更けてきた。私の舟を泊めようにも、泊まる所がわからないことよ。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌 1732
詞書「碁師の歌二首」
大葉山に霞がたなびき夜も更けたのに、舟を泊める所がわからないと心細さを詠む歌である。霞にかすむ山と更けゆく夜が、舟旅の不安を深めている。
碁師の歌二首の一首目である。巻第七の第千二百二十四首にほぼ同じ歌が収められている。本巻の第千七百十九首とは下の句が同じである。大葉山の所在は明らかでなく、琵琶湖周辺の山とする説がある。
作者の碁師は伝未詳である。碁師は囲碁に巧みな人の意で、名は伝わらない。
初句「大葉山」は、山の名を示すが、所在は明らかでない。
二句「霞たなびき」は、霞が横に長くかかって、の意である。
三句「さ夜更けて」は、夜が更けて、の意で、「さ」は接頭語である。
四句「我が舟泊てむ」は、私の舟を泊めよう、の意で、本巻の第千七百十九首の四句と同じ句である。
結句「泊り知らずも」は、泊まる所がわからないことよ、の意で、第千七百十九首と同じ結句である。本歌では、霞と夜更けという二重の闇が、泊まり所を知らない不安の理由となっている。
かすみ:空に薄くかかる霧状のもの
とまり:船が泊まる所、港
- 作者
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碁師
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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山科の石田の杜に幣置かば けだし我妹に直に逢はむかも
- 次の歌
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思ひつつ来れど来かねて三尾の崎 真長の浦をまたかへり見つ