大滝を過ぎて夏身に近づきて
清き川瀬を見るがさやけさ
- 歌の意味
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大滝を過ぎて夏身に近づき、清らかな川の瀬を見ることのすがすがしさよ。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌 1737
詞書「兵部川原の歌一首」
大滝を過ぎて夏身に近づき、清らかな川の瀬を目にしたすがすがしさを詠む歌である。道行きの順に地名をたどり、清流を前にした爽快な気分を結句にまとめている。
大滝は奈良県吉野郡の吉野川の急流の地で、夏身はその下流とされる。前歌の第千七百三十六首と同じ夏身を詠み、吉野の川をたたえる歌が続く。
作者の兵部川原は、兵部省に仕えた川原という姓の人物と考えられるが、名は伝わらない。
初句「大滝を」は、吉野川の急流の地名を示す。
二句「過ぎて夏身に」は、大滝を過ぎて夏身へ、の意で、前歌の四句「夏身の川門」と同じ夏身を詠む。
三句「近づきて」は、近づいて、の意である。
四句「清き川瀬を」は、清らかな川の浅瀬を示す。
結句「見るがさやけさ」は、見ることのすがすがしさよ、の意で、名詞「さやけさ」で結ぶ体言止めである。前歌の「見れど飽かぬかも」と同じく、川を見る喜びで一首を結んでいる。
かはせ:川の浅瀬
- 作者
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兵部川原
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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山高み白木綿花に落ちたぎつ 夏身の川門見れど飽かぬかも
- 次の歌
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金門にし人の来立てば夜中にも 身はたな知らず出でてぞ逢ひける