- 歌の意味
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梅の花が咲いている岡のほとりに住んでいるので、鴬の声を聞くことも少なくはない。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1820
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
梅の咲く岡のあたりに住む者が、鴬の声を存分に聞ける暮らしを喜ぶ歌である。梅と鴬という取り合わせを、住まいの環境として誇らしげに述べており、春の豊かさを満喫する心が表れている。梅に鴬の取り合わせは万葉集にしばしば見られ、この一連でも第千八百四十首に梅の枝に鳴く鴬が詠まれる。
初句「梅の花」は春を代表する花で、鴬と取り合わせて詠まれることが多い。
二句「咲ける岡辺に」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、梅が咲き続けている状態を示す。「岡辺」は岡のあたりの意である。
三句「家居れば」は家を構えて住んでいるのでの意である。「ば」は確定条件で、住まいの環境が理由として示される。
四句「乏しくもあらず」は少なくはない、珍しくもないの意である。字余りの句で、打ち消しによってかえって声の豊かさを強調している。
結句「鴬の声」は体言止めである。前歌の「鴬鳴きつ」を受けて、鴬の声そのものを据えて結んでいる。
をかへ:岡のあたり
いへをる:家を構えて住む
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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うち靡く春立ちぬらし我が門の 柳の末に鴬鳴きつ
- 次の歌
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春霞流るるなへに青柳の 枝くひ持ちて鴬鳴くも