- 歌の意味
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春霞が流れていくのにつれて、青柳の枝をくわえて鴬が鳴いている。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1821
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
流れ漂う春霞とともに、青柳の枝をくわえて鳴く鴬の姿を詠んだ歌である。霞、青柳、鴬という春の景物を一首に集め、動きのある春の情景を絵のように描き出している。鴬が枝をくわえるという細かな観察が印象的で、一連の中でも特に絵画的な一首である。
初句「春霞」は春に立つ霞である。本巻の冒頭から続く霞の景が、鳥を詠む一連にも引き継がれている。
二句「流るるなへに」の「なへに」はそれにつれて、と同時にの意の接続の語である。霞が流れる動きと鴬の動きとを同時に重ねている。
三句「青柳の」は芽吹いて青々とした柳である。第千八百十九首の「柳の末に」と同じく、柳と鴬の取り合わせを見せる。
四句「枝くひ持ちて」は枝をくわえての意である。「くふ」は口にくわえる意で、鴬の姿を細やかに描いている。
結句「鴬鳴くも」の「も」は詠嘆の終助詞である。「鴬鳴くも」の結句は第千八百二十四首、第千八百二十五首、第千八百三十首にも見え、一連に繰り返される型となっている。
くふ:口にくわえる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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梅の花咲ける岡辺に家居れば 乏しくもあらず鴬の声
- 次の歌
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我が背子を莫越の山の呼子鳥 君呼び返せ夜の更けぬとに