- 歌の意味
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春になると妻を求めようとして、鴬が梢から梢へと伝いながら、むやみに鳴いている。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1826
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
春になって妻を求め、梢から梢へと渡り歩きながら鳴き続ける鴬を詠んだ歌である。結句の「もとな」には、その声が作者の心をいたずらにかき立てるという思いがこもっており、鴬の妻恋いが作者自身の恋しさを呼び起こしていることがうかがえる。前歌までの君を思う鴬に対し、この歌では鴬自身が妻を求める姿として描かれている。
初句「春されば」は春になるとの意である。第千八百十五首にも見える句で、季節の到来を示す。
二句「妻を求むと」は妻を求めようとしての意である。鴬の鳴き声を妻恋いの声としてとらえている。
三句「鴬の」は主格を表す。春の鳥の代表として一連の中心に据えられている。
四句「木末を伝ひ」の「木末」は梢の意である。梢から梢へと移り渡る鴬の動きを描いている。
結句「鳴きつつもとな」の「もとな」はむやみに、わけもなくの意である。鳴き続ける声が作者の心を落ち着かなくさせるという思いが込められている。
こぬれ:梢
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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紫草の根延ふ横野の春野には 君を懸けつつ鴬鳴くも
- 次の歌
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春日なる羽がひの山ゆ佐保の内へ 鳴き行くなるは誰れ呼子鳥