答へぬにな呼び響めそ呼子鳥
佐保の山辺を上り下りに
- 歌の意味
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答えてくれる人もいないのに、そんなに呼び立てて響かせるな、呼子鳥よ。佐保の山辺を上ったり下ったりしながら。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1828
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
呼んでも答える人のいないのに佐保の山辺で鳴き立てる呼子鳥をたしなめる歌である。呼んでも応えがないという鳥の姿に、思う人に呼びかけても答えてもらえない作者自身の寂しさが重なっているとも読める。前歌の「誰れ呼子鳥」という問いかけを受けるように、佐保の地で鳴く呼子鳥に語りかけ、二首で呼子鳥の歌を構成している。
初句「答へぬに」は答える者もいないのにの意である。「に」は逆接を表し、応えのない呼びかけのむなしさを示す。
二句「な呼び響めそ」は「な…そ」で禁止を表し、そんなに呼び立てて響かせるなの意である。
三句「呼子鳥」は呼びかけの対象である。前歌の結句「誰れ呼子鳥」と同じ語を置き、二首をつないでいる。
四句「佐保の山辺を」は佐保の山のあたりをの意で、前歌の「佐保の内へ」を受けて舞台を同じくしている。
結句「上り下りに」は上ったり下ったりしての意である。倒置によって鳥の飛び回る様子を最後に置き、落ち着きなく鳴き立てる姿を描いている。
とよむ:音を響かせる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春日なる羽がひの山ゆ佐保の内へ 鳴き行くなるは誰れ呼子鳥
- 次の歌
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梓弓春山近く家居れば 継ぎて聞くらむ鴬の声