- 歌の意味
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春の山の近くに住んでいるので、あなたは絶えず聞いているのだろう、鴬の声を。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1829
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
春の山の近くに住む人をうらやみ、その人はいつも鴬の声を聞いているのだろうと思いやる歌である。本巻の第千八百二十首が自分の住まいで鴬の声を存分に聞く喜びを詠むのに対し、この歌は他人の住まいを思いやって詠んでおり、同じ趣向を反対の立場から描いた対の関係にある。「家居れば」「鴬の声」という語句も共通している。
初句「梓弓」は「春」にかかる枕詞である。弓を「張る」ことから、音の通う「春」を導く。
二句「春山近く」は春の山の近くにの意である。鴬の住む山に近い住まいであることを示す。
三句「家居れば」は家を構えて住んでいるのでの意である。第千八百二十首の三句と同じ句で、二首の対応を明らかにしている。
四句「継ぎて聞くらむ」の「継ぎて」は絶えず、引き続いての意、「らむ」は現在推量の助動詞である。相手の暮らしを思いやって推し量っている。
結句「鴬の声」は体言止めで、第千八百二十首の結句と同じである。うらやむ思いを鴬の声そのものに託して結んでいる。
あづさゆみ:梓の木で作った弓。「春」「引く」などにかかる枕詞となる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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答へぬにな呼び響めそ呼子鳥 佐保の山辺を上り下りに
- 次の歌
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うち靡く春さり来れば小竹の末に 尾羽打ち触れて鴬鳴くも