うち靡く春さり来れば小竹の末に
尾羽打ち触れて鴬鳴くも
- 歌の意味
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春がやって来ると、篠竹の先に尾羽を打ち触れながら、鴬が鳴いている。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1830
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
春を迎え、篠竹の先に尾羽を触れさせながら鳴く鴬の姿を詠んだ歌である。小さな篠竹の葉先と鴬の尾羽が触れ合う一瞬を細やかにとらえ、春の生き生きとした気配を描いている。第千八百十九首と同じく「うち靡く」で始まり、第千八百二十一首や第千八百二十四首と同じく「鴬鳴くも」で結ぶ、この一連に典型的な型をもつ歌である。
初句「うち靡く」は「春」にかかる枕詞である。第千八百十九首と同じ初句で、一連の中で呼応している。
二句「春さり来れば」は第千八百二十四首と同じ句で、春の到来を示す。
三句「小竹の末に」は篠竹の先にの意で、字余りの句である。細い竹の葉先という小さな景をとらえている。
四句「尾羽打ち触れて」は尾羽を篠の葉先に打ち触れさせての意である。鴬の動きを間近に見た細やかな描写である。
結句「鴬鳴くも」は一連に繰り返される結句で、詠嘆をこめて言い収めている。
しの:細い竹。篠竹
をは:尾と羽
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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梓弓春山近く家居れば 継ぎて聞くらむ鴬の声
- 次の歌
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朝霧にしののに濡れて呼子鳥 三船の山ゆ鳴き渡る見ゆ