梅の花降り覆ふ雪を包み持ち
君に見せむと取れば消につつ
- 歌の意味
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梅の花に降り覆っている雪を包んで持ち、あなたに見せようと手に取ると、消えていってしまう。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1833
詞書は前の歌に続き「雪を詠む」
梅の花に降り積もった美しい雪をあの人に見せたいと手に取るが、すぐに消えてしまうはかなさを詠んだ歌である。美しいものを愛する人と分かち合いたいという素直な思いと、それがかなわないもどかしさが、雪の消えやすさを通して表されている。梅と雪の取り合わせは、春の中の冬の名残を詠む雪の一連にふさわしい景である。
初句「梅の花」は春の花で、そこに雪が降りかかる景を導く。梅と雪を重ねて白の美しさを見せている。
二句「降り覆ふ雪を」は梅の花に降りかかって覆っている雪をの意である。花を包み込むように積もる雪の様子を描く。
三句「包み持ち」は包んで持っての意である。雪を大切に扱う作者の心づかいが表れている。
四句「君に見せむと」の「む」は意志を表す。愛する人に美しいものを見せたいという願いである。
結句「取れば消につつ」の「消」は消える意の「消ぬ」の連用形、「つつ」は反復を表す。手に取るたびに消えてしまうむなしさを示して結ぶ。
く:消える。「消につつ」で、消えては消えての意となる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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うち靡く春さり来ればしかすがに 天雲霧らひ雪は降りつつ
- 次の歌
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梅の花咲き散り過ぎぬしかすがに 白雪庭に降りしきりつつ