- 歌の意味
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山あいで鴬が鳴いて、春が来たと思うのだが、雪がしきりに降っている。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1837
詞書は前の歌に続き「雪を詠む」
山あいで鴬が鳴き、春になったと思ったのに、雪がしきりに降ってきた驚きを詠んだ歌である。鳥の一連で春の兆しとされた鴬の声と、雪の一連の主題である春の雪とが一首の中で出会い、春と冬が交錯する季節の揺らぎが表されている。前の二つの一連を結びつける位置にある歌といえる。
初句「山の際に」の「際」は山と山との間、山あいの意である。本巻の第千八百四十八首、第千八百四十九首にも同じ語が見える。
二句「鴬鳴きて」は鴬が鳴いての意で、春の兆しを示す。鳥の一連の主題を受けている。
三句「うち靡く」は「春」にかかる枕詞で、一連を通じて繰り返し用いられている。
四句「春と思へど」の「ど」は逆接の接続助詞である。春と思う心と、次の句の現実とのずれを示す。
結句「雪降りしきぬ」の「しく」は重なる、しきりにする意で、「ぬ」は完了である。雪が降りしきってしまった現実を示し、春への期待を裏切られた驚きを描いて結ぶ。
ま:物と物との間。「山の際」で山あいの意
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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風交り雪は降りつつしかすがに 霞たなびき春さりにけり
- 次の歌
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峰の上に降り置ける雪し風の共 ここに散るらし春にはあれども