- 歌の意味
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冬が過ぎて春がやって来たらしい。朝日のさす春日の山に霞がたなびいている。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1844
詞書は前の歌に続き「霞を詠む」
朝日のさす春日山にたなびく霞を見て、冬が過ぎて春が来たことを推し量る歌である。明るい朝日と霞の取り合わせが、新しい季節を迎える清々しい心を表している。巻頭の第千八百十二首が夕べの香具山の霞から春を推し量ったのに対し、この歌は朝の春日山の霞から春を推し量っており、朝と夕、春日山と香具山という対照をなしている。
初句「冬過ぎて」は冬が過ぎての意である。季節の移り変わりをはっきりと示している。
二句「春来るらし」の「らし」は根拠ある推定で、ここで二句切れとなる。巻第一の第二十八首、持統天皇の「春過ぎて夏来るらし」と同じ形の言い回しである。
三句「朝日さす」は朝日のさしているの意である。第千八百十二首の「この夕」と対照的に、朝の景を示している。
四句「春日の山に」は前歌と同じく春日山で、霞の一連の舞台となっている。
結句「霞たなびく」は第千八百十二首をはじめとする人麻呂歌集の一連の句と同じで、推定の根拠となる景を示して結ぶ。
さす:光が差す
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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昨日こそ年は果てしか春霞 春日の山に早立ちにけり
- 次の歌
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鴬の春になるらし春日山 霞たなびく夜目に見れども