- 歌の意味
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鴬の鳴く春になったらしい。春日山に霞がたなびいている。夜目に見るのだけれど。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1845
詞書は前の歌に続き「霞を詠む」
夜目にもそれとわかるほど春日山に霞がたなびいているのを見て、鴬の鳴く春になったと推し量る歌で、霞の一連を締めくくる。夜のおぼろな視界の中で霞をとらえるという繊細な感覚が表れている。前歌の朝日のさす春日山に対し、この歌は夜の春日山を詠み、同じ山の霞を朝と夜の対照で描いている。
初句「鴬の」は次の「春」にかかり、鴬の鳴く春の意となる。鳥の一連の主題であった鴬が、ここで春を形容する語として用いられる。
二句「春になるらし」の「らし」は根拠ある推定で、ここで二句切れとなる。前歌の「春来るらし」と同じ推定の形をとる。
三句「春日山」は霞の一連の三首すべてに共通する山で、ここでは体言で据えられている。
四句「霞たなびく」は推定の根拠となる景であり、前歌の結句と同じ句である。
結句「夜目に見れども」は夜目に見るのだけれどもの意である。字余りの句で、倒置によって夜の視界のおぼろさを添え、それでもなお霞がわかるという確かさを示す。
よめ:夜、暗い中で物を見ること
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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冬過ぎて春来るらし朝日さす 春日の山に霞たなびく
- 次の歌
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霜枯れの冬の柳は見る人の かづらにすべく萌えにけるかも