浅緑染め懸けたりと見るまでに
春の柳は萌えにけるかも
- 歌の意味
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薄緑色に染めた糸を掛けたのかと見えるほどに、春の柳は芽吹いたことだ。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1847
詞書は前の歌に続き「柳を詠む」
芽吹いた柳の枝を、薄緑に染めた糸を掛け渡したように見立てた歌である。しだれる柳の枝の淡い緑の美しさを、染め糸という工芸の美にたとえ、繊細な色彩感覚を示している。前歌と同じく「萌えにけるかも」で結び、前歌が冬と春の対比を詠んだのに対して、この歌は春の柳の色の美しさそのものに焦点を当てている。
初句「浅緑」は淡い緑色である。芽吹いたばかりの柳の若葉の色を示す。
二句「染め懸けたりと」は染めた糸を掛けたのかとの意である。「たり」は存続の助動詞で、しだれる柳の枝を糸に見立てている。
三句「見るまでに」は見えるほどにの意で、「までに」は程度を表す。見立ての度合いを示している。
四句「春の柳は」は前歌の「冬の柳は」と対をなす句で、季節を冬から春へと移している。
結句「萌えにけるかも」は前歌と同じ結句で、柳の一連を貫く表現となっている。
あさみどり:淡い緑色
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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霜枯れの冬の柳は見る人の かづらにすべく萌えにけるかも
- 次の歌
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山の際に雪は降りつつしかすがに この川楊は萌えにけるかも