山の際に雪は降りつつしかすがに
この川楊は萌えにけるかも
- 歌の意味
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山あいには雪が降り続いている。それなのに、この川楊は芽吹いたことだ。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1848
詞書は前の歌に続き「柳を詠む」
山あいにはまだ雪が降っているのに、川辺の柳が芽吹いたことに気づいた歌である。雪の一連に多用された「しかすがに」を用いて、冬の名残の雪と春の兆しの芽吹きとを対比し、季節の移り変わりの確かさを示している。本巻の第千八百三十六首の「雪は降りつつしかすがに」と同じ句を用いながら、霞に代わって柳の芽吹きを春の兆しとしている。
初句「山の際に」は山あいにの意で、本巻の第千八百三十七首と同じ初句である。
二句「雪は降りつつ」の「つつ」は継続を表す。第千八百三十二首の結句、第千八百三十六首の二句と同じ句である。
三句「しかすがに」はそれなのにの意で、雪の一連から引き継がれた逆接の語である。
四句「この川楊は」の「川楊」は川辺に生える柳、カワヤナギである。「この」によって目の前の景として示している。
結句「萌えにけるかも」は一連に繰り返される結句で、雪の中の芽吹きに気づいた感動を示して結ぶ。
かはやぎ:川辺に生える柳。カワヤナギ
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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浅緑染め懸けたりと見るまでに 春の柳は萌えにけるかも
- 次の歌
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山の際の雪は消ずあるをみなぎらふ 川の沿ひには萌えにけるかも