梅の花取り持ち見れば我が宿の
柳の眉し思ほゆるかも
- 歌の意味
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梅の花を手に取って見ていると、我が家の柳の眉のような若葉が思い出されることだ。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1853
詞書は前の歌に続き「柳を詠む」
梅の花を手にして眺めながら、家の庭の柳の若葉を思い出す歌で、柳の一連を締めくくる。「柳の眉」は柳の若葉を女性の眉にたとえた語であり、梅の花を愛でつつも心は家の柳へ、さらには眉を思わせる人へと向かっていく。柳の一連の最後に梅を置き、次の花の一連へと橋渡しをするような位置にある。
初句「梅の花」は春の花で、柳の一連の中で異なる花を持ち出している。
二句「取り持ち見れば」は手に取って見るとの意で、「ば」は確定条件である。
三句「我が宿の」は私の家のの意である。「宿」は家、住まいを指す。
四句「柳の眉し」の「柳の眉」は柳の若葉を女性の眉にたとえた語、「し」は強意の副助詞である。美しい女性の面影もほのかに感じさせる。
結句「思ほゆるかも」の「思ほゆ」は自然に思われる意、「かも」は詠嘆である。目の前の梅から家の柳へと心が移っていくさまを示して結ぶ。
やど:家。住まい
まよ:眉。「柳の眉」で柳の若葉を眉にたとえた語
おもほゆ:自然に思われる。思い出される
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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ももしきの大宮人のかづらける しだり柳は見れど飽かぬかも
- 次の歌
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鴬の木伝ふ梅のうつろへば 桜の花の時かたまけぬ