- 歌の意味
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鴬が枝から枝へと伝い渡る梅の花が色あせていくので、桜の花の時節が近づいてきた。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1854
詞書「花を詠む」
鴬の渡る梅の花が盛りを過ぎたのを見て、桜の季節の近いことを感じる歌で、題詞「花を詠む」の一連の最初に置かれる。梅から桜へという春の花の移り変わりを一首でとらえ、季節が次の段階へ進むことへの期待を示している。前の柳の一連の結びの歌が梅を詠んでいたのを受け、花の一連が梅から始まり桜へと進んでいく配列となっている。
初句「鴬の」は次の「木伝ふ」の主語である。鳥の一連から続く梅と鴬の取り合わせが見られる。
二句「木伝ふ梅の」は枝から枝へと伝い渡る梅のの意である。本巻の第千八百七十三首にも「鴬の木伝ひ散らす梅の花」と同じ趣向が見える。
三句「うつろへば」は色あせていくのでの意で、「うつろふ」は花の色が衰える意である。
四句「桜の花の」は次に咲く桜の花のの意で、季節の主役の交代を示している。
結句「時かたまけぬ」の「かたまく」は時節が近づく意、「ぬ」は完了である。桜の季節の到来を待つ心を示して結ぶ。
こづたふ:枝から枝へと伝い移る
うつろふ:花の色があせる。盛りが過ぎる
かたまく:時節が近づく。その時期になる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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梅の花取り持ち見れば我が宿の 柳の眉し思ほゆるかも
- 次の歌
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桜花時は過ぎねど見る人の 恋ふる盛りと今し散るらむ