馬並めて多賀の山辺を白栲に
にほはしたるは梅の花かも
- 歌の意味
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多賀の山のあたりを真っ白に照り輝かせているのは、梅の花であることよ。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1859
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
多賀の山辺を真っ白に照り映えさせる梅の花の群れを詠んだ歌である。「馬並めて」という枕詞が、馬を連ねて遠乗りする人々の華やぎを思わせ、山一面に広がる梅の白さを大らかにとらえている。前歌が一本の梅を守りたいと詠んだのに対し、この歌は山一面の梅を詠んでおり、一本と群れという尺度の対比が見られる。
初句「馬並めて」は馬を並べての意で、「多賀」にかかる枕詞とされる。馬を連ねて行く意から「たか」を導くと考えられる。
二句「多賀の山辺を」の「多賀」は山城国(現在の京都府綴喜郡井手町)の地名とされる。
三句「白栲に」は真っ白にの意で、「白栲」は白い布、転じて白い色を表す。
四句「にほはしたるは」の「にほはす」は色美しく照り映えさせる意である。「にほふ」は古くは視覚的な美しさを表す語であった。
結句「梅の花かも」は前歌と同じ結句で、二首が並んで梅の花を詠嘆している。
にほはす:色美しく照り映えさせる
しろたへ:白い布。転じて、白い色
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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うつたへに鳥は食まねど縄延へて 守らまく欲しき梅の花かも
- 次の歌
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花咲きて実はならねども長き日に 思ほゆるかも山吹の花