いつしかもこの夜の明けむ鴬の
木伝ひ散らす梅の花見む
- 歌の意味
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早くこの夜が明けてほしい。鴬が枝から枝へと伝って散らす梅の花を見よう。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1873
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
鴬が枝を伝って散らす梅の花を見たくて、夜明けを待ちわびる歌で、花を詠む一連を締めくくる。夜の闇の中で朝の景を思い描く心の弾みが、「いつしかも」の一語に表れている。花の一連の最初の第千八百五十四首の「鴬の木伝ふ梅」と同じ趣向を用いており、一連の初めと終わりが梅と鴬の取り合わせで呼応している。
初句「いつしかも」は早く、いつになったらの意で、結句まで待ちわびる心がかかる。
二句「この夜の明けむ」の「む」は推量で、早く明けてほしいという願いを含む。ここで二句切れとなる。
三句「鴬の」は次の「木伝ひ」の主語である。
四句「木伝ひ散らす」は枝から枝へと伝って花を散らすの意である。第千八百五十四首の「木伝ふ梅」と同じ語を用いている。
結句「梅の花見む」の「む」は意志である。夜明けに梅の花を見ようという期待を示して結ぶ。
こづたふ:枝から枝へと伝い移る
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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見わたせば春日の野辺に霞立ち 咲きにほへるは桜花かも
- 次の歌
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春霞たなびく今日の夕月夜 清く照るらむ高松の野に