朝霞春日の暮は木の間より
移ろふ月をいつとか待たむ
- 歌の意味
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春の日の夕暮れには、木の間から移りゆく月を、いつ出るかと待つことだろう。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1876
詞書は前の歌に続き「月を詠む」
春の日の夕暮れに、木々の間から見え隠れしながら移っていく月を待ちわびる歌で、月の一連を締めくくる。前歌の木の下闇のおぼろな月に続き、木の間から姿を現す月を待つ心を詠んでおり、三首を通じて春の夕月をさまざまな角度からとらえている。
初句「朝霞」は「春日」にかかる枕詞的な語とされる。春の朝に立つ霞の意から春の日を導いている。
二句「春日の暮は」は春の日の夕暮れはの意である。長い春の日が暮れていく時を示す。
三句「木の間より」は木々の間からの意である。前歌の「木の暗」と同じく木々と月の関わりを詠んでいる。
四句「移ろふ月を」は移りゆく月をの意で、木の間を見え隠れしながら動いていく月の姿を示す。
結句「いつとか待たむ」の「か」は疑問の係助詞で、「む」の連体形と係り結びをなす。月の出を待ちわびる心を示して結ぶ。
うつろふ:移り動く
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春されば木の木の暗の夕月夜 おほつかなしも山蔭にして
- 次の歌
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春の雨にありけるものを立ち隠り 妹が家道にこの日暮らしつ