物皆は新たしきよしただしくも
人は古りにしよろしかるべし
- 歌の意味
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物はすべて新しいのがよい。けれども人だけは、年を経て古くなったのがよいのだろう。
- 鑑賞
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巻第十 春雑歌 1885
詞書は前の歌に続き「旧りにしを嘆く」
物はすべて新しいのがよいが、人だけは年を重ねた古い人がよいと、前歌の嘆きに答えるように詠んだ歌である。前歌が人の老いを嘆いたのに対し、この歌は老いた人の価値を肯定しており、二首は嘆きと慰めの対をなしている。「旧りにしを嘆く」の題のもとで、古さを嘆く心から古さをたたえる心へと転じている。
初句「物皆は」は物はすべての意で、一般論として示している。
二句「新たしきよし」は新しいのがよいの意で、ここで二句切れとなる。前歌の「新たなれども」を受けている。
三句「ただしくも」はただし、けれどもの意とされる。前の一般論に対する例外を示す転換の語である。
四句「人は古りにし」は人は古くなったのがの意で、前歌の結句「人は古りゆく」に応じている。
結句「よろしかるべし」の「べし」は当然、推量を表す。古い人こそよいのだと肯定して結ぶ。字余りの句である。
ふる:古くなる。年老いる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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冬過ぎて春し来れば年月は 新たなれども人は古りゆく
- 次の歌
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住吉の里行きしかば春花の いやめづらしき君に逢へるかも